中学、高校、大学すべての受験では塾に通うのが必須とされています。
それも合格実績が良い名門塾やブランド塾。そんな遥か昔からの常識でもあることが、覆されようとしています。「名門塾はあなたの子供をダメにする!」(著:和田秀樹 ビジネス社)では名門塾の「詰め込み」で受かった子は、大人になったら成功できない。
と、いうロジックで親の言いなり、塾の言いなりでとにかく努力と根性で大量に勉強して合格するよりも、受験勉強指導書を参考に受験のテクニックを身に付けて、工夫して合格を勝ち取った者が社会にでて成功できると説いています。それってどうゆう事? この本を読んでまとめてみたいと思います。あくまでも私の感想やメモ書きである上に、間違って解釈しているかも知れません。なのでご自身でも手に取って読んでいただけたらと思います。
名門塾信仰はやめようって?!合格実績が良い有名塾に入らなくても受験ってできる?
お子さんをなんとか超ハイレベルな学校に入れたい!と、親は有名塾に入れたがります。
有名塾に入ったら、そこのカリキュラムで自動的に成績が上がり、熱望校に合格できると希望を託します。超ハイレベルまでとはいかなくても、塾に丸投げしていたら大は小を兼ねるという思考法で難関校までは合格出来るだろうと、考えるそうです。
そこまで勉強してきたのだからそれ相当の学校に受かるはずだと。
しかし、現実はそう簡単では無いようです。
そもそも有名塾やブランド塾と言われるところは万人に向いていないのです。非常に特殊な人たちのためにあると言えます。それゆえ該当しないお子さんたちは塾の「お客さま」になると揶揄されています。成績が上位20%の子どもたちのもので、中位から下位の子どもたちにとっては通っていても成績は伸びず、逆に勉強嫌いになる恐れがあります。なので有名塾に拘らず、躓いている個所を見つけて丁寧に教えてくれる先生がいる塾を見つけるべきだと本書では述べられていました。ちなみに受験塾とは大量の勉強を押し付けてくるけど、勉強のやり方は教えてくれないそうです。ただ与えられて課題(宿題)を闇雲にやるだけだそうですが、どうなのでしょうか?


受験塾に頼らない勉強法って何?どうするの?
受験勉強とは試験日という締め切り日までに志望校の入試問題の合格最低点を身に付けることだと言えます。それにはまず計画を立てなければいけません。今から未来に向けて「積み上げ思考」で立てることから始めます。計画なんて必ず狂うのですから余裕を持って立てること、そして時間より量で。何時間よりページ数の方が確実だそうです。とても大切な事なので詳しくは本誌参照をお勧めします。
そして志望校が定まらないと始められません。塾の言う通り全方位型で勉強して身に着いた学力相応の学校を選ぶというやり方は非常にロスがあるようです。行きたい学校の過去問題を見て出題傾向を把握し、対策を立てます。高校入試や大学入試はお子さん本人でできますが、中学入試を見据えているお子さんには親が代わりにやります。要するに親は出題傾向を理解して対策を立て、入試問題のタイプを考えて志望校を決めると言う事です。

中学受験だけは特殊!親のDNAで子どもの学力が決まるの????
他の受験と違い子どもにとって向き不向きがあるのが中学受験です。センスと発達度合いという努力と根性ではどうにもならないものが影響されるからです。特に算数が特殊なのでセンスが要求されDNAの影響も少なからずあるそうです。もちろん親のDNAで子どもの学力が決まるわけでもありませんが(これは本誌でも言いきっていました)数学の法則や定理といったテクニックを使わない中学受験の算数は理系のセンスに良い子に優利だと言えます。また4,5,6月生まれの早生まれの子も発達が早くて優利です。
中学受験に失敗しても大丈夫!逆転はいくらでもできるのだ!
「私立の中高一貫校に入らないと東大や医学部に行けない」「中高一貫校に入るためには小4から受験塾に通わせる必要がある」とよく耳にしますが果たして本当なのでしょうか?皆がやっているからと流されていませんか? 中学や高校受験で難関私立大学の付属校に落ちたとしても大学受験で一発逆転も可能です。と、言うのも大学受験は昔より易しくなっているようです。慶應義塾大学や早稲田大学であっても多くの学部の受験科目は3科目でなので、戦略的に準備を行いその上で受験テクニックをしっかりと習得すれば子どもを一流大学に入れることはそれほど難しいことでは無いようです。
物量にものを言わせて闇雲に大量に勉強するより、志望校を絞って受験テクニックを活用すれば志望校に合格できる時代になっていると、本誌では明るい希望を見せてくれました。
そして今は参考書や問題集など優良なものが手に入ります。有名受験塾だけでなく受験に向けた勉強ができる土壌が溢れていると思います。

まとめ
「受験は要領」と言った受験勉強の指南書を数多く出版している著者の本を私は大学受験の時に手に取りました。志望校の入学問題の出題傾向を分析し、対策をとると言ったテクニックはいまだに変わらず、それを子どもに伝授するということを「名門塾はあなたの子供をダメにする!」で語っています。著者はご自身のお子さんお二人を桜蔭学中学校、女子学院中学校に合格されているので、きっとこの方法を伝授されたのでしょうね。この本には他に
・親に対局観があれば逆転できる
・受験塾に頼らない勉強法
・受験塾の先生の年収はいくら?
・試行力が身に着けば受験勉強の半分は成功
など読み応えのあるトピックもあり、これから迎える子どもの受験勉強に役に立つ情報が満載の1冊でした。
